臨床ニュース
第一三共は、三菱UFJキャピタル、名古屋工業大学と網膜色素変性症を対象とした遺伝子治療薬の共同研究を始めたと発表した。名工大の神取秀樹教授らが見つけた高活性の新規光応答性たんぱく質を用いた新規療法の実用化を目指す。成果が出た場合は、第一三共が自らのプロジェクトとして進め、販売後のロイヤルティーを名工大に支払う。
4月1日付で契約を交わし、共同研究をスタートした。研究開発を担う新会社オイデ・オプトアイも設立し、三菱UFJキャピタルが運営するファンドから必要な資金として1億円の出資を行う。共同研究期間は、3年を予定。第一三共が設けた目標を達成した場合は、同社がオプトアイの全株式を買い取る。
網膜色素変性症は、網膜の視細胞に異常が生じる遺伝性かつ進行性の疾患。失明につながることもあり、国の指定難病となっている。現状、遮光眼鏡やビタミンAの内服などの対症療法しかない状況だ。
今回、第一三共などは神取教授らが発見した新規光応答性たんぱく質を活用。遺伝子治療による視覚再生の可能性を探る。