2020年4月23日木曜日

海外ジャーナル

18歳未満のCOVID-19は典型的症状少ない、米CDC調査

 米国疾病管理予防センターが、2020年2月12日から4月2日までに50州、コロンビア特別区、ニューヨーク市および海外領土から報告された新型コロナウイルス感染症COVID-19)の18歳未満の患者2572例を対象とした予備的調査の結果を報告した。

 2月12日から4月12日までに、計14万9760例のCOVID-19確定例の報告があった。年齢が判明している14万9082例(99.6%)のうち18歳未満が占める割合は1.7%(2572例)で、年齢中央値は11歳(範囲0-17歳)だった。年齢分布を見ると、15-17歳(813例、32%)が最も多く、10-14歳(682例、27%)、1歳未満および5-9歳(398例および388例、各15%)、1-4歳(291例、11%)が続いた。性別が判明した2490例中1408例(57%)が男児だった。

 COVID-19の徴候および症状が報告された18歳未満の患者291例(11%)を18-64歳の患者(11万3985例中1万944例のデータ)と比較すると、発熱息切れのうち1つ以上の症状が見られた割合は、18-64歳93%、18歳未満73%だった。このほか、18歳未満例は18-64歳例と比べると、発熱(56% vs. 71%)、咳嗽(54% vs. 80%)、息切れ(13% vs. 43%)、筋肉痛(23% vs. 61%)、咽頭痛(24% vs. 35%)、頭痛(28% vs. 58%)、下痢(13% vs. 31%)の頻度が低かった。

 入院状況に関するデータが入手できた18歳未満の患者745例(29%)のうち147例(推定5.7-20%)が入院し、そのうち15例(同0.58-2.0%)が集中治療室(ICU)に入室した。18-64歳の患者(3万5061例、31%)の入院率は10-33%、ICU入室率は1.4-4.5%で、いずれも18歳未満の患者よりも高かった。18未満の患者の入院率は1歳未満の乳児が15-62%(推定)と最も多く、入院状況が判明している1歳未満の乳児95例中59例(62%)が入院し、そのうち5例はICUに入室した。1-17歳の入院率は4.1-14%と推定された。

 基礎疾患の状況が報告された345例中80例(23%)が、基礎疾患を1つ以上有していた。主な基礎疾患は、喘息などの慢性肺疾患(40例)、心血管疾患(25例)、免疫抑制状態(10例)だった。入院と基礎疾患の情報が報告された295例では、ICU管理となった6例を含む入院患者37例中28例(77%)、非入院258例中30例(12%)に基礎疾患が1つ以上あった。今回の解析では、3例が死亡したが、死因は現在調査中だと報告している。

新型コロナウイルス特設ページ COVID-19
【原文を読む】
CDC COVID-19 Response Team. Coronavirus Disease 2019 in Children: United States, February 12-April 2, 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020; 69(14): 422-426.