2024年2月21日水曜日

 

神戸市が高校通学費を無料化 大阪の授業料無償化に対抗、年20億円

地域 2024年2月14日 (水)配信朝日新聞

 神戸市は14日、市内の高校に通う生徒の通学費を今年9月から全額補助する方針を明らかにした。1人当たりの補助額は年平均9万3500円で、年間の予算は約20億円を見込む。大阪府が私立高校の授業料無償化を進める中、子育て世帯の流出を防ぐ狙いがある。

 対象は、市内に住む高校生約2万900人。所得や子どもの数などによる制限は設けない。9月~来年3月の経費など12億円をこの日発表した新年度予算案に計上した。

 今年度までの制度では、通学費は月1万2千円まで自己負担で、それを超える分の半額を市が補助し、年間予算は1億円だった。市内の自宅から市外の高校に通う場合、9月以降も月1万2千円を超える分の半額だけを補助する。

 市内の公立高校30校、私立高校26校の他、高等専門学校や外国人学校など計68校の生徒に適用する。全額補助は2025年度以降も続ける方針。

 神戸市は昨年、人口が150万人を割り込み、人口減が課題。近くの大阪府が新年度から私立高校の授業料無償化の所得制限などを段階的になくし、府内の全生徒を対象とする方針を示しており、神戸市も新制度で若年層の定着につなげたい考えだ。

 久元喜造市長は14日の会見で、大阪府の授業料無償化方針について「周辺の県から子育て世帯の流出が進むことになるのではないか。好ましくない」と発言。神戸市を含む兵庫県の高校で志願者が減れば、教育水準が低下し子育て世代がさらに流出する「負のスパイラル」に陥る可能性が高いとも話した。(小川聡仁)

朝日新聞デジタルselect